ミト読書会 blog

好きな本を持ち寄って紹介するだけのゆる~い読書会です

少年院に本を寄贈した話

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先日、茨城県の少年院に文庫本(と少し新書)計358冊を寄贈してきました。

文庫は元々どこかに寄贈するつもりで残していたのですが、私が開催しているミト読書会に偶然参加した方が法務教官をしていて、その方が施設側の調整をしてくださり寄贈することができました。

その方が読書会に参加してくれたのは本当に偶然でした。
彼は読書会開催中のスタバに居合わせただけの方で、その場でFacebookページを検索して途中から声をかけて飛び入り参加をしてくれました。
しかもその時スタバにいたのはコロナウイルスの影響で東京の会議が中止になったからだったそうです。コロナも悪いことばかりではないねと話していました。

私がもともと本を寄贈することを考えたのは、有川浩著『明日の子供たち』を読んだことがきっかけです。これは少年院ではなく児童養護施設の話でしたが、本がきっかけで成長する少年少女の描写が印象に残っていて、某中古屋に売るよりは、と思って寄贈先を探していた中での出会いでした。

彼は自身も本や映画が大好きで、その知識を少年たちの教育に最大限に活かしたいと考えています。私が寄贈した本たちも、この素晴らしいキュレーターのもと、誰かの役に立つことがあるかもしれません。

今回は少年院の中も案内していただき、寄贈した本を置く場所や使い方も教えてくれました。
また、少しだけですが院にいる子たちとも会うことができました。本を寄贈する身としてはこれほど嬉しいことはありません。

法務教官の彼とも話したのですが、少年院を見学しながら、私は真保裕一著『繋がれた明日』という小説を思い出していました。これは罪を償ない社会復帰を目指す主人公が、様々な"社会"の障壁にぶつかり、立ち向かっていく物語です。

私は、それぞれがありのまま受け入れられる、差別のない、復帰可能な社会であることを願っています。まずは自分がそのように在りたいと思います。

 

(寄贈した358冊)

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